四〇〇字程度

おもしろいこと言える大人になるためには何をすればよかったのかと考える無駄使い

夢見の悪い朝に

見た夢を思い出せなかった。身支度をととのえたところで、歯を磨く前に家の外に出て、煙草を吸っていて、やっと母と弟が出てくる夢であったと手ごたえを得た。そこから芋づるに内容が引きずり出された。

私は二人の期待にこたえられなかったうえ、わりと平然とした顔で背信行為を続けていた。同じ屋根の下にいる(という設定だった。もしかして過去のいつかだったのかもしれない)というのに二人の顔や声をじっくり観察するふてぶてしささえ見せていた。二人は私のことをいないものとして扱っていた。目を覚ました後でさえ、尾を引いたのはこの疎外感による衝撃であったらしかった。

とほうもない夢でさえそれが現実の生活の何に由来するものであるか推測する。昨夜は祖母から留守番電話にメッセージが残されていた。

「電話をかけようと思って番号をまわしたけどつながらなくてファクシミリを送信してくださいってばっかり」(ぶつり)

これが呼び水になったのだろうか。不審な留守番電話の内容については解決した。