四〇〇字程度

おもしろいこと言える大人になるためには何をすればよかったのかと考える無駄使い

戻る道すがら考えていたこと

 

 

一晩泊まったくらいでは罪滅ぼしにはならない。

そもそも罪滅ぼしをしに帰っているなどと知られたらどれだけ傷つけるだろうとも思うけれど、案外、そんなこと気にされていないかもしれない。

二食作ったくらいでは一緒に生活をしているとは言えない。

私の作る料理なんて、しょうゆの味しかしない炒め物に卵がべちょべちょとした炒飯、そして出来合いのサラダと揚げ物で、作ったと言っていいのかもあやしい。

三人で過ごしてももう家族の姿をしていない。

争う子どもを「家族が争うべきではない」と言うそのくちで、「あいつを殺すことさえ考えるけれどそうなっては身の破滅だ。」と毒づく人のことを、とやかく言う資格もない。もう何も言いたくないと思ってしまった。

もう何もできないのだと言い聞かせる言葉が自己陶酔に染まっていないか、おそるおそる確かめてみる。うたがわしい。ぜったいに酔っている。

でも何も変えられる気がしないのだ。

絵にかいたような美しい夕焼けがうらめしい。

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